「親の介護がきっかけで離婚を考えている…」という方もいるのではないでしょうか。
介護で離婚する前には、メリットとデメリットを整理したり、離婚後の状況を詳しく知ることが大切です。
この記事では、親の介護で離婚・別居するのを防ぐ3つの対策について紹介します。
また、介護離婚の原因や、個別のケースについても解説しますので、ぜひご覧ください。
親の介護で離婚・別居する前に
親の介護が原因で離婚することを「介護離婚」と呼びます。
介護による身体的・精神的な負担や、経済的な圧迫が、夫婦間に亀裂を生む原因です。
しかし、介護離婚に踏み切る前に、離婚後の状況や離婚しないための対策を知る必要があります。
こうした情報を事前に把握することで、一時的な感情での決断を避け、後悔を減らせるでしょう。
介護離婚の原因は、主に3種類
介護離婚が増加している背景には、以下のような原因があります。
- 不公平な介護負担の偏り
- 介護にかかる費用の圧迫
- コミュニケーション不足
まず1つ目に、夫婦のうち片方だけが介護しているという状態は危険です。
介護は、身体的な疲労だけでなく精神的なストレスも大きくなります。
同じ家庭にいるのに片方だけが負担を背負っている場合、「不公平だ」と不満が募るでしょう。
次に2つ目は、介護にはお金が必要です。
最初は少ないと感じる出費でも、長期間にわたって積もり続けると大きく膨らみます。
事前に、「あなたの親だから、あなたが7割出してね」のように取り決めていると負担を減らせるでしょう。
最後に3つ目は、コミュニケーション不足です。
介護の時間が長くなるほど夫婦間の会話が減り、お互いの気持ちが伝わりにくくなります。
その結果、感謝の言葉が欠けたり誤解が生まれたりして、離婚に繋がってしまうのです。
介護離婚のメリット・デメリット
介護離婚を検討する際は、一時的な感情だけでなく、冷静にメリットとデメリットを分析することも大切です。
〈メリット〉
- 精神的なストレスから解放される
- 相手と財布を分けることができる
- 義両親の介護負担から逃れられる
〈デメリット〉
- 1人分の収入で生活する必要がある
- 心を許せるパートナーがいなくなる
- 裁判など手続きが面倒になるリスク
介護離婚には、上記のようなメリットとデメリットがあります。
しっかりと理解した上で、自分や家族にとって最適な選択肢を見つけることが重要です。
介護で離婚した人のその後は?
介護離婚を選択した後には、離婚時には想像しづらい課題が待ち受けています。
その一つが、経済的な不安定さです。
特に、専業主婦として家庭を支えてきた女性の場合、就職先を見つけるのは簡単ではありません。
その結果、子どもや親族に生活費を頼らざるを得ない状況に繋がります。
これから働き盛りで結婚を見据える子どもからすると、経済的なサポートはしたくないはずです。
さらに、離婚後に、親の介護を求められるリスクもないわけではありません。
法律上では、親の扶養義務は血縁者にありますが、実際のところは家族間の話し合いで決まることも。
親の介護で離婚・別居しないために
親の介護で離職・別居するのは最後の選択肢だとして、ここから対策方法を3つ紹介します。
意外と知らないだけで、介護しながら家庭を維持できる方法があるのです。
- 仕事を休める制度を使う
- 他の家族に匿名で相談する
- 介護の負担を減らす
離婚や別居は、あくまでも最終的な選択肢であり、その前にできることは多くあります。
今の状況を少しでも好転させるために、まずは他の選択肢を探ってみましょう。
1、仕事を休める制度を使う
まず1つ目に、介護をしている人が使える休職制度を活用しましょう。
介護が始まるときには、冷静に状況を分析して、これからの動き方を夫婦で話し合う時間が必要です。
その時間を確保するために、一時的に仕事を休める介護の休職制度を活用します。
たとえば、「どのような介護サービスがあるのか」「いつになったら使うか」などを決めておくのが大切です。
お近くの地域包括支援センターに行くと、オススメの介護サービスについて教えてくれるでしょう。
こちらの記事では、介護の休職制度を一覧形式で紹介していますので、ぜひご覧ください。
2、他の家族に匿名で相談する
2つ目の対策方法として、無料で相談できる介護の掲示板があります。
他の家族が介護の悩みを投稿しているため、自分と似た状況の人が見つかるかもしれません。
オンラインの掲示板なので匿名で利用できるのも嬉しいポイントです。
親族などに面と向かって相談しにくい悩みは、匿名の掲示板で相談しましょう。
たとえば、「親の介護を夫婦で分担したいのですが、どうすればいいですか?」のように、ざっくりと質問をしても大丈夫です。
こちらの「介護のお悩み相談所」という匿名掲示板は、温かい人が多い掲示板になります。
3、介護の負担を減らす
3つ目に、介護の負担を減らすことは、とても効果的です。
そもそも、介護が特に大変なものでなければ「離婚しよう」などと考えません。
そして現代社会では、介護を楽にできるグッズがたくさん用意されています。
たとえば、遠くに住む親の見守りをスマホだけで完結し、緊急時には代理で駆けつけてくれるサービスがあります。
また、お金を使いすぎないようにお財布を管理するアプリを使えば、高齢者が自力で買い物することも可能です。
このようなグッズをうまく組み合わせることで、介護の負担はほとんどゼロに近づきます。
「ラクカイゴ」は、介護を楽にするアイテムやテクノロジーを集めたWebサイトです。
【Q&A】よくある質問
最後に、親の介護による離婚・別居に関する質問をご紹介します。
- 離婚した相手の親を介護する義務はある?
- 自分の親の介護を嫁に丸投げしたら捨てられた
- 別居後に、夫婦関係を修復するには?
それぞれのケースに対して具体的に回答していますので、ぜひ参考にしてください。
離婚した相手の親を介護する義務はある?
離婚した場合、義理の親に対する介護義務はありません。
これは法律で定められており、扶養義務が兄弟姉妹や子ども孫などの血縁関係に限定されているためです。
そのため、元配偶者の親を介護しなかったとしても「法的には問題ない」というのが結論です。
ただし、子どもがいる場合には、感情的・道徳的な面で介護に関するプレッシャーを受ける可能性もあります。
後からのトラブルを避けるために、離婚時に元配偶者との親の介護に関する取り決めを行っておくのが大切です。
自分の親の介護を嫁に丸投げしたら捨てられた
親の介護を一方的に押し付ける行為は嫌がられても仕方がありません。
ただ、離婚したとしても、奥様が一人で介護を続けるのは大変なことです。
そのため、関係修復を望むのであれば、謝罪の気持ちと感謝の意を伝えましょう。
そして、介護の分担を見直し、奥様の負担を減らすように動きます。
具体的には、介護を楽にするグッズを活用して、介護による奥様のストレスを少しでも和らげましょう。
何よりもまずは、積極的に介護に協力する姿勢を示し、信頼を取り戻すことが大切です。
別居後に、夫婦関係を修復するには?
別居後に夫婦関係を修復するためには、双方が冷静になって話し合う必要があります。
別居に至った原因を明らかにし、その原因について改善方法を話し合うことが大切です。
たとえば、介護負担が1人に偏っていた場合には、2人で分担できる方法を考えます。
また、経済面でのストレスが原因の場合は、お互いが収支への目線を揃えるべきです。
もし感情的に衝突してしまうときは、ケアマネジャーなどの第三者を交えて話し合うと、建設的な話し合いができるでしょう。
【まとめ】介護を楽にするグッズを活用
この記事では、親の介護で離婚・別居しないための対策を3つご紹介しました。
介護離婚のメリットとデメリットを整理すると、長期的にはデメリットが多くなります。
〈メリット〉
- 精神的なストレスから解放される
- 相手と財布を分けることができる
- 義両親の介護負担から逃れられる
〈デメリット〉
- 1人分の収入で生活する必要がある
- 心を許せるパートナーがいなくなる
- 裁判など手続きが面倒になるリスク
そして、介護離婚を防ぐ方法も用意されています。
- 仕事を休める制度を使う
- 他の家族に匿名で相談する
- 介護の負担を減らす
実際に「ラクカイゴ」では、介護を楽にするグッズを100種類以上紹介しています。
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離婚や別居は、あくまでも最終的な選択肢であり、その前にできることはあるはずです。
離婚に踏み切る前に介護の負担を減らして、家庭を維持できることを祈っています。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。