この記事は以下のような悩みを持つ方にオススメです。
- 介護記録や申送りに多くの労力と時間を使ってしまっている
- 山のように積まれた紙の介護記録に記された情報を有効活用できていない
- 介護記録ソフトを導入する際の人材研修や金銭的なコストを抑えたい
この記事では、グループホームや特別養護老人ホームなど介護施設の業務効率化やICT化を推進する「SCOP」を紹介します。
善光会がSCOPを立ち上げた経緯やサービスの特徴、運営者の思いなどについて解説しますので、ぜひご覧ください。
SCOPとは、どんなサービス?
SCOPとは、介護記録や申送りの業務を大幅に削減する次世代介護記録システムです。
現在、SCOPは社会福祉法人善光会より事業譲受する形で、株式会社善光総合研究所が運営しています。
社会福祉法人善光会と聞くと、介護業界ではご存知の方も多いかもしれません。
善光会は国内最大級の複合福祉施設サンタフェガーデンヒルズを始め、特別養護老人ホームやグループホームなど14事業所を展開しています。
善光会の特徴は、事業所の運営にあたってテクノロジーを用いた先進的な科学的介護を実践していることです。
今でこそ身近になった介護のICT化ですが、善光会は平成25年の段階から介護ロボット研究所を設立し、業務効率化やケア品質の改善に取り組んでいました。
「オペレーションの模範となる」という企業理念が示すように、新しい考えや技術を積極的に取り入れ、介護業界の行く先を担う先導者としてのポジションを確立していると言えるでしょう。
実際に、130種類以上の介護ロボットを導入実証していることからも、介護業界の業務効率化を推進する姿勢が伝わります。
善光会は事業所を運営しているからこそ感じた人手不足の課題に対して、いち早く介護ロボットを導入して対応しました。
そのような善光会が、介護業界の業務を効率化するために打ち出したサービスがSCOP homeです。
SCOP homeとは、介護記録や申送りの業務を削減し、完全なペーパーレス化を実現できるiPadアプリです。
既に善光会では、SCOP homeを用いて75%もの業務を削減し、記録業務による残業がすべて無くなっています。
申送りに関しても、利用者の状態やヒヤリハット、ご家族との面会などをSCOP homeに入力するだけで施設全体に通知可能です。
システムの導入となると、きちんと使いこなせるか、または職員に定着させられるかが不安だと思います。
SCOP homeは開発段階から利便性を重視しているため、グループホームの事例では全拠点に導入できたそうです。
「直感的に操作できる」「介護記録の時間を削減できた」「写真で残るため分かりやすい」など導入した施設の声が気になる方は、以下のインタビュー記事をご覧ください。
→導入事例のインタビュー記事はこちら
次の章では、SCOP homeの機能や導入するメリットについて詳しく解説します。
SCOP homeの魅力3選
ここから、SCOP homeの魅力を3つご紹介します。
まず1つ目に紹介する魅力は、利用者目線で設計された直感的なデザインです。
普段スマートフォンを使用していない介護職員でも、研修なしで直感的に使いこなすことができます。
基本的な項目の入力はタップ1つでできるため、これまで紙に書いていた業務を大幅に効率化することが可能です。
入力補助機能として、頻繁に入力する文章を定型文として設定したり、音声で入力したりすることもできます。
また、複数の利用者に対して同じサービスを提供するときに便利なのが一括選択機能です。
例えば、食事量を個別で入力すると時間がかかるため、「完食した」と一括で選択した後に残した人だけ記録を変更すると時短になります。
必要な情報が一覧化されて見やすい上に、異常があれば赤く表示されるため、直感的に対応すべき箇所を理解できる画面設計です。
もし仮に未入力の箇所があった場合も一目で確認できるため、記録の抜け漏れを防ぐことができます。
このようにリアルタイムで分かりやすく情報が記録・共有されるため、転記作業がなくなるだけでなく介護施設全体の業務効率化に繋がるのです。
次に2つ目の魅力として、低コストで導入しやすい点が挙げられます。
一般的な介護記録システムは高額になりがちですが、SCOP homeは低価格を実現しました。
SCOP homeの料金体系は「月額100円 × 定員数」となっており、コストを抑えて利用することができます。
例えば、2ユニット18床で運営するグループホームの場合、1,800円/月と経済的です。
さらに、補助金も適用できるため、導入しやすいシステムと言えるでしょう。
低価格の料金体系を実現できる秘訣は、善光会が社会福祉法人として非営利団体であることが理由の1つです。
今後ますます介護業界のICT化が進むと、介護記録を紙かシステムのどちらで作成するかは人材採用にも関わるでしょう。
そのため善光会は、より多くの施設が導入しやすい手頃な価格に設定しているのです。
利便性の高い高機能なシステムを低価格で提供する姿勢からも「業界を先導する」という強い思いがうかがえます。
最後に3つ目の魅力として紹介するのは、介護施設の施設長や法人本部で働く責任者の負担を軽減できる点です。
介護記録を紙で運用している介護施設では、施設長や責任者が状況を知るためには現場に行かなくてはいけませんでした。
SCOP homeによってデジタル化が進んだ施設では、記録が即座に共有されるため画面を見るだけで現場の状況を把握できるようになったそうです。
実際に、コロナウイルスの影響で法人本部の責任者が施設を巡回できない際にも役立ちました。
このように、現場の課題をデジタル上に集約でき、課題解決のスピードを早められる点は特徴的です。
SCOP homeを導入すると、同時にSCOP onlineというパソコンで情報を管理する機能が利用できます。
SCOP onlineでは、主に施設長や責任者が居室やスタッフの状況、利用者の要介護度や既往歴などを設定可能です。
あらかじめ基本情報を設定しておくことで、現場のスタッフが記録する際の手間を減らすことができます。
アセスメントからモニタリングまでSCOP onlineでケアプランを作成できるため、ケアマネージャーとの連携もスムーズになるでしょう。
さらに、SCOP onlineの情報は科学的介護推進加算などにも対応しており、CSVファイル形式でダウンロードできるため、そのままLIFEに活用できます。
つまり、SCOPは人材研修や金銭的な負担を抑えて、科学的介護を推進できるシステムです。
首相官邸でSCOPの表彰式!
介護業界にデジタルを浸透させる善光会の取り組みは、政府からも高い評価を得ています。
2021年の年末にはSCOPの現場での有効性が評価され、介護業界初となる日本医療研究開発機構理事長賞を受賞しています。
善光会の代表である宮本さんが首相官邸に招かれて、授賞式が行われたそうです。
また、2023年7月下旬に、岸田内閣総理大臣が善光会のサンタフェガーデンヒルズを訪問し、介護のDX化やマイナンバー制度について意見交換が行われました。
10月にはデジタル庁の河野大臣が訪れ、介護ロボットが現場でどのように使われているかを視察したそうです。
このように政府から功績を認められるほど、SCOPは信頼度の高いサービスであることが分かります。
申込方法
SCOP homeに興味を持った方は、以下の公式ホームページから資料請求・お問い合わせが可能です。
「導入前に画面を見てみたい」という方へのオンラインデモや、「実際に使用してみたい」という方へお試し用のデータが入ったiPadの貸し出しも行っています。
また、入居者のデータ移行やスタッフ情報の入力などの初期設定をサポートすることもできますので、お気軽にお問い合わせください。
SCOPの便利な機能2選
ここまではSCOP homeを紹介しましたが、SCOPには以下2つのサービスもあります。
- SCOP mobile
- SCOP receipt
SCOP homeは、iPadを用いて介護記録や申送りのICT化を推進するシステムでした。
一方でSCOP mobileは、スマートフォンによってSCOP homeとほぼ同等の機能を0円で利用できるサービスです。
また、SCOP receiptでは、SCOPでの介護記録と連携することで確実かつ手間のない請求を実現できます。
それぞれの機能について詳しく解説しますので、ぜひご覧ください。
無料で導入できるスマートフォンでの介護記録システム「SCOP mobile」
SCOP mobileは以下のような介護施設にオススメです。
- iPadやタブレットを保有しておらず、介護記録を紙で管理している
- 新しいスマートフォンの購入にも費用をかけたくない
- 無料で介護記録システムを導入したい
SCOP mobileとは、各スタッフが持っているスマートフォンで利用する介護記録システムです。
スマートフォンさえあれば0円で導入でき、介護記録や申送りの業務を大幅に削減することができます。
善光会の調べによると、スマホ用ブラウザで動作する介護記録ソフトにおいて、0円で導入できるのはSCOPが初だそうです。
使い方も簡単で、わずか5分の登録を済ませれば、SCOP homeとほぼ同等の機能を使用できます。
シニア職員や外国籍職員の方であっても、自分のスマートフォンであれば活用しやすいでしょう。
単語登録や文字サイズを好みにアレンジでき、Google翻訳などを使用すれば外国籍の方との情報共有が円滑になります。
プライベートでスマートフォンを紛失することを危惧される方もいらっしゃるかもしれません。
SCOP mobileには、厚生労働省のガイドラインを遵守したセキュリティ機能が搭載されているため安心です。
具体的には、端末紛失時の強制ログアウトやアクセス履歴確認などの機能が備わっています。
介護業界のICT化を先導するという強い思いを持つ善光会だからこそ打ち出せる、無料で高機能な介護記録システムなのです。
介護記録から請求までワンストップで対応できる請求システム「SCOP receipt」
SCOP receiptは以下のような介護施設にオススメです。
- 使用している請求システムが高額で、経費を圧迫している
- 介護記録システムと請求システムが分かれており、間違いやすい
- SCOP homeを既に使っているため請求システムにも情報を反映させたい
SCOP receiptとは、請求業務をICT化し、確実かつ手間のない請求を実現する請求システムです。
SCOPと以下の情報連携ができるため、SCOPの介護記録システムと併用することで業務を効率化できます。
〈SCOPと連携できる情報〉
- 利用者情報
- 家族情報
- 介護保険情報
- サービス提供期間情報
- 入退所情報
- 食止め情報
- 外出外泊情報
SCOP receiptの機能としては、介護保険請求の実績データを国保連合会へインターネット伝送で簡単に送信できます。
そして、介護保険の請求結果や利用者請求の入金などもシステム上で確認可能です。
料金は「月額100円 × 床数」であり、SCOP homeと同様に低価格で利用できます。
法改正の際に行われるシステムのバージョンアップデートも無償で対応され、追加費用がかからないため安心です。
SCOP receiptに登録したデータはクラウドサーバーで保管されるため、安全で快適な請求システムと言えるでしょう。
よくある質問
- SCOPは、iPadでなければ使えないのですか?
-
いえ、SCOP mobileではお持ちのスマートフォンをお使いいただけます。ios端末、Andoroid端末両方に対応しております。
- 導入後に契約更新料はかかるのでしょうか?
-
いえ、契約更新料は必要ありません。初期費用は必要ですが、契約更新料や解約時の違約金はございませんので、使ってみて納得できなかったら解約しやすい設定です。
- Wi-Fi環境がないのですが、大丈夫でしょうか?
-
安定した状態で重要事項を取り扱っていただくため、Wi-Fi環境の整備はお願いしております。
立ち上げ時の開発で注力したこと
ここまで紹介したようにSCOPの利便性は非常に高いですが、開発時に現場での使いやすさを重視したからこそ実現できたそうです。
開発を担当する小山さんは「善光会では事業所を複数運営しているため、現場職員の声を聞いたり業務での動きを見たりした上で開発することができた。」と話します。
500人ほどいる現場職員の中には、スマホは持っているけれどタブレットなど新しい技術を敬遠する60〜70代の職員もいます。
60〜70代の職員でも簡単に使えることを目指したため、利用者目線で使いやすいシステムを開発できたのです。
現場にマッチする商品開発を心がけてきた小山さんは「SCOPに出会えて良かった。」と現場の方から喜ばれたときが最も嬉しい瞬間だと言います。
実際に「介護記録の時間が減って利用者に充てられる時間が増えた」という声もあり、導入して成功した事例は非常に多いそうです。
高機能で使いやすいSCOPですが、まだまだ現場からの要望はあるらしく、小山さんは道半ばだと捉えています。
優先順位をつけながら着実に改良を進めているSCOPの今後がさらに楽しみです。
先導者としての思い
SCOPが開発されたきっかけは、善光会が運営する事業所で介護ソフトを導入しようとした際に「これだ!」と思えるものが存在しなかったことでした。
その背景から、介護業界の行く先を担う先導者として、低コストで高機能なSCOPを開発したのです。
開発を担当する小山さんは「ICT化を進めようとする介護事業者に対して善光会のモデルを届けたい」と話します。
高齢化が深刻な介護業界では、2025年に32万人、2040年には69万人もの人材が不足すると予想されているようです。
しかし、科学的介護やICT化を推進できれば、人材不足による負担を減らし、今と同様、あるいは今まで以上のサービスを提供できるのではと小山さんは考えています。
そのため、SCOPはICT化の推進になかなか踏み切れない介護事業者にぜひ使ってほしいサービスです。
SCOP全体として便利な機能を低コストで利用できますし、SCOP mobileであれば無料で開始できます。
最後に、以下は善光会が掲げるSCOPの目指す姿です。
介護サービスに関わる全ての方の情報格差をなくすことで、すべての人のニーズを洗い出し、介護の質と生産性の向上を実現します。
必要な情報を必要としている人に届けることが、SCOPの目指す姿です。
単にサービスを届けるだけでなく、介護業界全体をアップデートしようとする姿勢が伝わります。
SCOPについて興味を持った方は、以下の公式ホームページをぜひご覧ください。