この記事で解決できるお悩み
- 要介護者の症状が重症化しても入所できる地域密着の施設はないかな?
- 地域密着介護老人福祉施設入居者生活介護ってなに?対象者も知りたい
- 特別養護老人ホームとの違いは?
この記事では、地域密着型介護老人福祉施設(地域密着型特別養護老人ホーム)について詳しく紹介します。
対象者や費用などの基本的な内容からメリット・デメリットまでお伝えしますので、施設を選ぶときにぜひ参考にしてください。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(地域密着型特別養護老人ホーム)とは?
地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護とは、入所定員30人未満の介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)を利用する方に様々な介護を行うサービスです。
一般的には、「地域密着型特別養護老人ホーム」と呼ばれています。
地域密着型ということもあり、明るく家庭的な雰囲気で運営されることが多く、地域や入居者同士の交流が重視されているのが特徴です。
利用者ができる限り自立した生活を送れるように、食事や入浴、排せつなどの日常生活支援や機能訓練、療養上の世話などを行います。
目的・役割
地域密着型特別養護老人ホームの役割は、入居者が自宅での生活に復帰できることを目指し、サービス計画に基づいて対応を行うことです。
利用者一人ひとりの意思や人格を尊重し、入居者が自身の力で自立した日常生活を送れるように支援します。
また、地域密着型サービスのため、地域と高齢者の交流を促す役割も期待されています。
そのため、明るい雰囲気で地域や家庭との結びつきを重視した運営が行われているのです。
対象者・利用条件
地域密着型特別養護老人ホームの対象者は、要介護3〜5の認定を受けている方です。
なお、地域密着型サービスのため施設がある地域に住んでいることが必要になります。
基本的に、要支援1〜2の方は利用できないため注意しましょう。
なお、要介護1〜2の方は原則利用できませんが、以下の条件に該当する場合は特例として入所が認められる可能性があります。
参考:厚生労働省による「介護老人福祉施設(参考資料)」
- 認知症であることにより、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、在宅生活が困難な状態。
- 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さ等が頻繁に見られ、在宅生活が困難な状態。
- 家族等による深刻な虐待が疑われる等により、心身の安全・安心の確保が困難な状態で、在宅生活が困難な状態。
- 単身世帯である、同居家族が高齢又は病弱である等により、家族等による支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が 十分に認められないことにより、在宅生活が困難な状態。
費用・料金表
地域密着型特別養護老人ホームの費用は、どのタイプの居室に入居するかによって異なります。
それぞれの居室タイプの特徴は以下です。
- 従来型個室:同じ部屋の中にいくつも完全個室が設けられている空間
- 多床室:病院の病室のような相部屋で2~4人が同時に生活する空間
- ユニット型個室:自宅での生活環境に近い完全個室のプライベート空間
- ユニット型個室的多床室:大部屋を簡易的な壁で区切って個室を作り出している空間
それぞれの居室タイプごとにかかる1日の基本利用料をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。(1割負担)
介護度 | 従来型個室 | 多床室 | ユニット型個室 | ユニット型個室的多床室 |
---|---|---|---|---|
要介護1 | 565円 | 565円 | 644円 | 644円 |
要介護2 | 634円 | 634円 | 712円 | 712円 |
要介護3 | 704円 | 704円 | 785円 | 785円 |
要介護4 | 774円 | 774円 | 854円 | 854円 |
要介護5 | 841円 | 841円 | 922円 | 922円 |
なお、食費やおむつ代などは別途費用がかかりますので、注意が必要です。
サービスの内容
地域密着型特別養護老人ホームで受けられるサービスは、一般的な特別養護老人ホームとほとんど同じです。
まず、食事や入浴、排泄といった日常的な介助が利用者の状態に応じて行われます。
次には、機能訓練やリハビリテーションを受けることが可能です。
また、利用者の健康管理や口腔ケアなども受けられ、療養上の世話も充実しています。
特別養護老人ホーム(特養)との違い
一般的な特別養護老人ホーム(特養)との違いとして挙げられるのは、小規模運営によるサービスの手厚さです。
スタッフが利用者ごとの状態を把握しやすくなり、必要に応じたケアを行いやすい体制になっています。
また、他の利用者やスタッフと顔なじみになることも多く、温かく落ち着いた空間で生活することができるでしょう。
一般的な特別養護老人ホーム(特養)のサービス内容について詳しく紹介した記事も合わせてご覧ください。
利用するには?
申請方法から手続きまで
地域密着型特別養護老人ホームを利用したい場合は、以下の7ステップで利用開始しましょう。
- 要介護3~5の認定を受ける
- 入所を希望する施設を探す
- 施設の見学を行い、申込書類を受け取る
- 入居申込書や介護保険証のコピーなど必要書類を提出する
- 施設からの入所判定を待つ
- 施設側との面談を行い、入所希望日を決める
- 入所し、サービスを利用する
メリット・デメリット
大きなメリットとしては、地域に合わせたサービスが受けられることです。
住み慣れた地で生活することは、利用者が穏やかな精神状態を保つきっかけになるでしょう。
一方でデメリットとしては、外部のサービスを受けたい場合、受けられない点が挙げられます。
スタッフの中での交代を希望することは可能ですが、入所を決める場合は慎重に選ぶことが重要です。
まとめ
この記事では、地域密着型介護老人福祉施設(地域密着型特別養護老人ホーム)について紹介しました。
地域密着型特別養護老人ホームは、入居定員30人未満の小規模な施設のため、明るく家庭的な雰囲気で運営されていることが多いです。
対象者は基本的に要介護3〜5となっています。
サービスの内容としては、以下のような対応を幅広く受けることが可能です。
- 食事や入浴、排せつなど日常生活支援
- 機能訓練やリハビリテーション
- 健康状態チェックや療養上の世話
利用したい場合は、地域包括支援センターなどに相談するのもよいでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。