この記事は、以下のような方にオススメです。
- 介護ロボットを導入したいと考えているが、メリットや導入事例を知りたい方
- 人手不足で職員1人あたりの業務負担が増えているため、介護ロボットを活用したい施設長
- 介護ロボットとしてオススメの商品を知り、導入を検討したい方
「介護ロボットは業務効率化や負担軽減に役立つと言われているけれど、あまりよく分からない…」
このような悩みを抱える介護者は多いでしょう。
人材不足が課題の介護現場では、職員の業務量が増えたり、身体的・精神的負担が大きくなったりします。
その結果、離職者が増える可能性もあるでしょう。
この記事では、介護現場における人手不足の現状や、介護ロボットの概要・導入するメリット等について解説します。
介護現場の快適性を向上させる介護ロボットも3つご紹介しますので、ぜひご覧ください。
介護現場における人手不足の現状
近年、日本では、介護現場における人手不足が課題です。
厚生労働省では、保険給付の円滑な実施のため、3年間を1期とする介護保険事業計画を作成しています。
第8期介護保険事業計画の介護サービス見込み量などに基づき、都道府県が推計した介護職員の必要数は下記の通りです。
- 2023年度:約233万人
- 2025年度:約243万人
- 2040年度:約280万人
2019年度の介護職員数は約211万人であり、この人数が現状維持で推移することを仮定すると、2023年には約22万人、2025年には約32万人の介護職員が不足する見込みとなります。
つまり、介護職員数自体は年々増加しているものの、高齢者や要介護者の増加には追いついていないのが現状です。
人の手だけに頼る介護には限界がある
前述した通り、日本では高齢者や要介護者の増加に対して介護職員数の確保が追いついておらず、2025年には約32万人の介護職員が不足する見込みです。
さらに、高齢者が高齢者の介護を行う老老介護も増加しています。
2023年7月に厚生労働省が発表した「2022年国民生活基礎調査」によると、同居して介護を行っている世帯のうち、老老介護を行っている割合が63.5%を占めることが明らかになりました。
調査が始まって以来初めて「老老介護」の割合が6割を超えることとなったのです。
今後、このような介護職員の不足や介護する側の高齢化が続くと、介護の質が低下したり、介護者の精神的・身体的負担がさらに大きくなったりすることが考えられます。
そのような問題を避ける方法のひとつとして、人の手だけに頼る介護から、介護ロボットなどを活用した介護への移行が挙げられるでしょう。
介護負担を軽減する介護ロボットとは?
ロボットとは、厚生労働省により、以下3つの要素技術を有する知能化した機械システムと定義されています。
- 情報を感知(センサー系)
- 判断し(知能・制御系)
- 動作する(駆動系)
上記の中でも、ロボット技術が応用され、利用者の自立支援や介護者の負担軽減に役立つ介護機器を介護ロボットと呼んでいるのです。
介護ロボットは、介護者と要介護者双方の負担軽減に役立つことから近年注目を集めています。
例えば、移乗用の介護ロボットを利用すれば、介護者の負担を軽減できるだけでなく、要介護者が介護者の負担を気にすることなく気軽に移乗できるようになるのです。
介護職員の不足や介護者の高齢化が進む日本では、さまざまな負担を軽減できる介護ロボットへの注目が今後もさらに高まると予想できます。
介護ロボットの種類
介護ロボットにはさまざまな種類がありますが、主に以下の3つに分けられます。
- 介護支援型
介護支援型のロボットは、排泄・入浴・移乗など、介護者に負担がかかる介助の支援を行うロボットを指します。
介護者の足腰などにかかる身体的な負担だけでなく、精神的な負担軽減に役立つものも含まれます。 - 自立支援型
自立支援型のロボットは、歩行や食事といった、要介護者が日常的に行う動作を支援するロボットを指します。
要介護者の自立を支援し、精神的な負担を軽減することも期待できます。 - 見守り型
見守り型のロボットは、センサーやカメラを通して要介護者を見守ったり、異常を検知したりするロボットを指します。
要介護者の異変に素早く気づいたり、徘徊・転倒などを回避したりすることで、介護者の負担を軽減します。
介護者・要介護者が抱える課題や負担に合った種類のロボットを活用することで、介護現場の安全性や快適性の向上を期待できるでしょう。
介護ロボットを導入するメリット・デメリット
介護現場では、介護ロボットを導入することで、介護者と要介護者双方の負担が軽減することを期待できます。
例えば、移乗をサポートするロボットを活用すれば、腰痛を抱える介護者であっても簡単に移乗介助を行えるのです。
また、上手く会話ができない高齢者の介護に、コミュニケーションロボットを活用することで、スムーズに会話できるようになることもあるでしょう。
このように、介護ロボットは、介護現場におけるさまざまな負担を軽減し、介護の質をアップデートしてくれるのです。
そのため、介護ロボットを初めて見る要介護者が戸惑ったり、要介護者が不安を抱いたりすることがあるのです。
このような要因もあり、現在でも日本における介護ロボットの普及率は低いままとなっています。
全国の介護保険サービス事業者を対象とした、「令和4年度介護労働実態調査」によると、78.3%が介護ロボットを導入していないという結果でした。
今後、介護ロボットの普及率をアップさせていくためには、介護ロボットの導入による業務効率の改善や負担軽減などが、さらに多くの人に知られる必要があるでしょう。
介護ロボットをうまく活用すれば負担を軽減できる
日本では、今後も介護職員の不足や、介護者の高齢化が続くと予想されています。
そのため、現在の介護の質を保ったり、介護者がより長く介護を続けたりするためには、介護ロボットの活用は必要不可欠であると言えるでしょう。
さらに、介護ロボットの導入により、要介護者が介護者へ気を遣うことが減ったり、自立に前向きになったりすることも期待できます。
しかし、突然これまでと介護の方法が変わると、要介護者の不安につながりかねません。
介護ロボットを導入する際は、介護者の負担軽減だけに目を向けるのではなく、要介護者が不安を感じることがないよう配慮することも必要です。
介護現場の快適性を向上させる介護ロボット3選
「令和4年度介護労働実態調査」によると、日本における78.3%の介護現場が「介護ロボットを導入していない」という結果でした。
日本における介護ロボットの普及率は低く、ロボットによる介護に抵抗や不安を感じる介護者・要介護者も多いのが現状です。
しかし、今後も介護職員の不足や、介護者の高齢化が続くことが予想されており、人の手だけに頼る介護には限界があるでしょう。
ここからは、介護者・要介護者の負担を軽減する介護ロボットを3つ紹介します。
1、ボタン1つでスムーズな移乗を叶える「Hug(ハグ)」
Hugとは、1人で立ち上がるのが難しい方の移乗をサポートするロボットです。
「移乗介助で腰を傷めてしまった…」という介護者は多いでしょう。
Hugは、ボタン1つで高齢者を抱え上げて移乗をサポートします。
「立つ・座る」という2つのボタンで簡単に操作できるため、介護者は1人でも手軽に移乗介助を行えるのです。
特別な装具や事前準備も不要であるため、使用時に手間がかからない点も大きな魅力でしょう。
また、Hugを利用すれば、脱衣時の立位保持や車椅子からお手洗いといった座位間の移乗もスムーズに行えるようになります。
そのため、今までオムツを使っていた方がトイレで排泄を行えるようになるなど、高齢者の尊厳を守ることにもつながるのです。
Hugは、テレビや新聞などをはじめとした幅広いメディアで取り上げられ、注目が高まっています。
また、2021年の3月に開催された第9回ロボット大賞では、Hug T1-02が介護・医療・健康分野における最高位である厚生労働大臣賞を受賞したのです。
実際に利用する介護者からは、「Hugを使い出してから身体の負担が軽くなった」「おむつではなくトイレで排泄できるようになった」など、多くの喜びの声が寄せられています。
このように、Hugは、介護の質を高めながら介護職員の身体的負担を軽減できるため、介護業界で注目度が高まっている介護ロボットなのです。
2、1人介助かつ1分間での移乗を可能にする「移乗です」
「移乗です」とは、高齢者が座ったまま、簡単に移乗を行える移乗用の介護ロボットです。
「移乗のたびに時間がかかって大変…」とお悩みの介護者は少なくないでしょう。
「移乗です」を利用すれば、介助者が高齢者を抱き上げる必要がないため1分程度で移乗を行えます。
実際に公式ページで公開されている動画内の実演では、約30秒程度でベッドからポータブルトイレまで移乗できていました。素早く安全に利用者を移乗できるという点は大きな魅力です。
例えば、ベッドから車椅子へ移動する際に生じる高さの違いも問題ありません。
他にも、ポータブルトイレや入浴用車いす、食堂イスなどへの移乗も簡単に行えます。
「移乗です」は、2023年1月に、第9回ものづくり日本大賞の東北経済産業局長賞を受賞しました。
ものづくり日本大賞とは、製造や生産に貢献した人材などを表彰する制度です。
「移乗です」は、高齢者が座ったまま移乗できることにより、高齢者と介護者両方の身体的負担軽減を叶えられるのです。
「移乗です」の魅力や製品仕様など、こちらの記事で詳しく解説していますので、気になった方はぜひご確認ください。
3、認知症の方をおしゃべりで支えるロボット「だいちゃん」
「だいちゃん」とは、認知症の方に特化したコミュニケーションロボットです。
「親が認知症になり、どのようにコミュニケーションを取れば良いか分からない…」とお悩みのご家族は多いのではないでしょうか。
「だいちゃん」は、専門知識に基づく会話により、認知症の周辺症状が発生することを抑える効果を期待できます。
機能としては、会話したり歌をうたったりクイズを出題して盛り上げたりとさまざまです。
例えば、だいちゃんが「好きなものは何ですか?」と質問し、認知症の方が「料理が好きです!」と興味を持って返答した場合は、「得意な料理は何ですか?」などとさらに会話を深掘りしてくれるのです。
「だいちゃん」は、認知症の方でも話しやすいよう配慮してくれるため、高齢者が前向きにコミュニケーションを楽しむきっかけとなることを期待できます。
「だいちゃん」は、発売から約1か月で、週刊高齢者住宅新聞や日本経済新聞などに取り上げられました。
また、発売開始から約1か月で25台も売れており、多くの介護者から必要とされていることがわかります。
「だいちゃん」のコミュニケーションは、介護者の負担軽減だけでなく、介護現場全体の癒しとなることを期待できるでしょう。
よくある質問
- 介護ロボットの導入は補助金の対象ですか?
-
介護ロボットの導入時には、補助金や助成金を受け取れる場合があります。
しかし、補助金や助成金を受け取るための条件は、年度や自治体などによってさまざまです。そのため、介護ロボットの導入を検討している場合は、各自治体のホームページ等を確認することをおすすめします。
- 介護ロボットはどのくらい普及しているのですか?
-
全国の介護保険サービス事業者を対象とした、「令和4年度介護労働実態調査」によると、最新の介護ロボット導入率は下記の通りです。
- 見守り・コミュニケーション(施設型):4.4%
- 介護業務支援:2.3%
- 入浴介護支援:1.8%
- 移乗介助(装着型):1.3%
- 移乗介助(非装着型):1.1%
最も多く導入されている「見守り・コミュニケーション(施設型)」の介護ロボットも、4.4%と導入率は低く、「いずれも導入していない」と回答した施設は78.3%にも上ります。
また、介護保険サービス系型別でみると、施設系(入所型)では「見守り・コミュニケーションロボット(施設型)」の導入率が 20.6%と最も高く、多くの項目でも他の区分に比べて高い導入率となっています。
一方、訪問系・施設系(通所型)・居宅介護支援は「いずれも導入していない」という回答が8 割台半ば前後を占めています。しかし、人材不足であることやICT化の流れを考えると、今後は介護ロボットの普及が進んでいくと予想できるのではないでしょうか。
【まとめ】介護をアップデートするなら「ラクカイゴ」
この記事では、介護現場における人手不足の現状や、介護ロボットの概要・導入するメリット・おすすめの商品などについて解説しました。
日本では、今後も介護職員の不足や、介護者の高齢化が続くことが予想されています。
そのため、現在の介護の質を保ったり、介護者がより長く介護を続けたりするためには、介護ロボットの活用は必要不可欠であると言えるでしょう。
ラクカイゴのWebサイトでは、介護現場で生じるさまざまな負担を軽減できる商品について詳しく紹介しています。
以下の公式ページから、介護に関する悩みを選んで、あなたに合った商品を探してみてください。
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最後までご覧いただきありがとうございました。