この記事は以下の悩みを持つ方にオススメです。
- 外出が減ることで、高齢者の心や身体にどのような影響があるのか知りたい
- 高齢者が移動手段に困った際に利用できるサービスや、便利な商品について知りたい
- 高齢になり、自力で移動できる範囲が狭まることに不安を抱えている
「田舎に住む高齢の両親が免許を返納したが、病院やスーパーへの移動手段がなくなり困っている…」
このように、高齢者が免許を返納した後の移動手段について、悩みを抱える方は多いでしょう。
また、移動手段を失う不安から、免許返納をためらう高齢者も少なくありません。
この記事では、増加する買い物難民の現状や、高齢者の移動手段に関する課題・対策について解説します。
高齢者の移動をサポートする便利なサービス・商品についてもご紹介しますので、ぜひご覧ください。
高齢者には移動手段の対策が必要
高齢者は、免許返納後などに備え、あらかじめマイカー以外の移動手段について考えておく必要があります。
居住する地域にはどのような移動手段があるのか、予算に合うのはどの移動手段なのか、利用できる割引制度はあるのかなどを確認しておくと良いでしょう。
高齢者が外出しないとどうなる?
高齢者が極端に外出を控えるようになると、認知機能や身体機能が低下し、介護を要する時期を早めるリスクがあります。
自宅へ引きこもりがちになり、他者とのコミュニケーションが減ると、認知機能が低下しやすくなるのです。
認知機能が低下すると、物忘れが増えたり、徘徊したりするようになることも考えられます。
また、社会とのつながりが減少すると、健康面の変化に気付くのが遅れたり、周囲のサポートを受けづらくなったりするでしょう。
さらに、高齢者が外出しなくなると、筋力や歩行能力が低下し、転倒や怪我のリスクも高まります。
このような理由から、高齢者が心身ともに健康的な生活を維持するために、外出することは非常に大切であると言えるでしょう。
【高齢化社会の問題点】免許を返納した後の移動手段
高齢者が免許を返納した後も、通院や買い出しなど、さまざまな場面で移動手段が必要となります。
徒歩だけでは移動できる範囲が限られるため、何らかの移動手段を利用することとなるでしょう。
マイカーに代わる、高齢者の主な移動手段は以下の通りです。
- 公共交通機関(電車・バスなど)
お住まいの地域や目的地周辺にバス停・駅があれば、公共交通機関での移動が可能です。地域によっては、65歳または70歳以上の利用者を対象とした割引制度などを導入していることもあります。自分で運転する必要がなく安全性が高い一方、利用できる時間や地域に限りがある点はデメリットと言えるでしょう。 - タクシー
タクシーは、電話やネットにて手軽に予約を行えます。
利用したい時間や場所を細かく指定でき、自由度が高い点は大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、公共交通機関に比べて料金が高い点はデメリットです。
タクシー会社によっては、高齢者を対象とした割引制度などを導入していることもあるため、利用できるサービスや割引制度がないか、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。 - オンデマンドバス
オンデマンドバスとは、相乗りで利用する予約制のバスで、乗客を効率的に移送できるようAIが生成した最適なルートで運行します。
路線やダイヤに縛られない自由度の高さや、タクシーに比べて安い料金などが魅力です。
詳細なサービス内容については、お住まいの市町村へ確認する必要があります。 - 自動二輪車(オートバイ)
運転免許証を返納する際、普通自動車免許のみの返納を選択できます。
その場合は、返納せず残している免許の種類に応じて、自動二輪車の運転が可能です。
ただし、自動二輪車の運転は、自動車の運転と同様に、認知機能や運動能力が必要となります。
そのため、事故等のリスクを考慮すると、自動二輪車の運転もおすすめできません。 - 自転車
自転車は、免許不要で運転でき、時間に縛られることもありません。
ただし、長距離の移動には向かない点や、事故のリスクが高い点はデメリットと言えるでしょう。
高齢者の場合、安定感のある三輪自転車や、少ない力で漕げる電動アシスト自転車を選ぶことでより安全に運転できます。
高齢者が自転車で移動するのは危険
免許返納後の移動手段として、自転車の使用を考える高齢者は多いでしょう。
自転車は、免許が不要で手軽に移動できる手段の1つです。
しかし、高齢者の自転車事故は近年増加傾向にあります。
警視庁が発表する「年齢層別の自転車事故件数」においても、65歳以上が全体の22.9%を占め、他の年齢層より高い割合となっているのです。
年齢層 | 自転車事故割合 |
---|---|
15歳以下 | 8.9% |
16〜19歳 | 6.7% |
20〜29歳 | 12.6% |
30〜39歳 | 13.6% |
40〜49歳 | 15.2% |
50〜59歳 | 14.8% |
60〜64歳 | 5.2% |
65歳以上 | 22.9% |
高齢者が自転車事故を起こす原因はさまざまですが、身体機能の低下により転倒しやすいことや、判断力の低下により危険の予測ができなくなることなどが考えられます。
増加する買い物難民の現状
解説してきた通り、移動手段の選択肢が減り、自力で移動できる範囲が狭くなってしまう高齢者は少なくありません。
そのため、現在の日本では、買い物難民の増加が深刻な課題となっている状況です。
買い物難民とは、流通機能や交通網の弱体化などにより、食料品など日常の買い物が困難な状況に置かれている人々のことを指します。
経済産業省の調査を元にした推計では、2014年時点で約700万人の高齢者が買い物難民であることが発表されました。
買い物難民が増加している具体的な原因はさまざまですが、人口減少が原因で廃業するお店が増えていることや、運転免許を返納する高齢者が増えていることなどが考えられます。
また、利用者減少により電車や路線バスといった公共交通機関が廃止されることも増えており、今後も買い物難民は増加することが予測されているのです。
高齢者の移動を支援するサービス3選
高齢になるまでマイカーでの移動が中心だった方にとって、免許返納後の移動手段確保は大きな課題です。
特に、居住する地域に電車やバスなどが通っていない場合、どのように移動すれば良いか不安を感じる方も多いでしょう。
また、「移動手段がなくなり、引きこもりがちになったらどうしよう…」と、離れて暮らす高齢の家族を心配する方もいらっしゃるのではないでしょうか?
1、自治体と連携!移動支援の取り組み事例「ゴイッショ」
ゴイッショとは、それぞれの送迎サービスを集約し、地域一体で運行する福祉介護共同送迎サービスです。
ゴイッショは、ダイハツが「移動を通じて、地域を良くし、暮らしを豊かに」という未来に向けて運営しています。
このような地域のモビリティサービスが増えると、高齢者はもっと気軽に移動できるようになるでしょう。
そのためにゴイッショは、まず介護施設における送迎業務を介護スタッフから切り離すことで負担軽減を目指します。
介護スタッフの採用条件が緩和されることで、「求人を出しても応募が集まらない」とお困りの介護施設の人材確保にも役立つでしょう。
さらに、介護施設のコスト削減を期待できる点も大きな魅力です。
介護施設がゴイッショを導入し、送迎車の台数を減らすことができれば、大幅なコスト削減が見込めるでしょう。
また、共同送迎の空き車両を、買い物への送迎や食料品のお届けなど他の移動サービスにも活用することができます。
そのため、介護分野だけではなく、地域の移動課題の解決につながることが期待されているサービスなのです。
つまり、ゴイッショは、介護人材不足の解消と、高齢者の移動手段確保の実現を支援する仕組みなのです。
こちらの記事では、ゴイッショを導入した効果や利用したお客様の声、取り組みへの思いなどを紹介していますので、ぜひご覧ください。
2、自転車の代わりとして外出を支援!運転免許証を返納した方にオススメ「myride」
myrideは、屋外・屋内を問わずコンパクトでスムーズに走行できる電動カートです。
高齢の家族が免許を返納し、外出が減ることを心配する方は少なくありません。
また、運転が好きな方であれば、免許を返納することで楽しみを失ってしまう場合もあるでしょう。
myrideを利用すれば、簡単な操作で安全かつスムーズに移動を行えます。
転倒などの不安から移動手段に悩む高齢者へ、「自らの意思で動く楽しさ」を提供できるのです。
さらに、ボタンを押すだけで、自動でコンパクトに折りたためるため、使用後の手間や収納場所に困ることもありません。
このように、myrideは、手間がかかったり、場所をとったりすることなく、手軽に使用できる利便性の高さも魅力です。
myrideを取り扱う株式会社今仙技術研究所は、安全性を高めるため、製造メーカーと共有しながら何度もmyrideの改善を重ねたと言います。
その結果として、安全性だけでなく新たな機能を追加でき、さらにJIS規格に適合する製品が完成したのです。
myrideを使用する高齢者からは、「安心して行動できる範囲が広がり、外出が楽しくなった」などの声が寄せられており、まさに「自らの意思で動く楽しさ」を提供できる電動カートと言えるでしょう。
myrideについて、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
3、介護者が付き添い、歩かないでも旅行ができるサービス「お出サポネット」
お出サポネットとは、全国各地の介助者によるサポートリレーによって、要介護者や身体が不自由な方などの多様な旅行ニーズに対応できるサービスです。
「高齢の親に旅行をプレゼントしたいが、介助者の付き添いがないと心配…」などとお悩みの方は少なくないでしょう。
お出サポネットを利用すれば、「体力があまりない」「身体が不自由」などの悩みがある高齢者でも、各地のサポーターの支援を受けながら「自分らしい旅行」を楽しめます。
現地の事情に詳しいサポーターによる支援を受けられるため、家族の付き添いがなくても安心・安全に旅行できるのです。
また、サポートや付き添いが必要な場面を柔軟に調整できる点も大きな魅力でしょう。
「公共交通機関は1人で利用できる」「2日目は家族と過ごす」など、それぞれの事情に合わせてサポート範囲を限定することで柔軟にスケジュールを組めるのです。
そのため、利用者が家族への負担を気に掛けたり、旅先でのトラブルに不安を抱えることなく、楽しむことに集中できるサービスであると言えるでしょう。
お出サポネットについては、こちらの記事で運営者の思いなども解説していますので、合わせてご覧ください。
【Q&A】よくある質問
- 運転免許は何歳で返納するのが良いでしょうか?
-
免許返納に年齢の規定はありませんが、警察庁が発表している「2022年における免許返納件数」を比較すると、70~74歳が最も多い結果となっています。
- 64歳未満:1万9700件
- 65~69歳:3万4200件
- 70~74歳:12万1370件
- 75~79歳:9万9603件
- 80~84歳:9万9307件
- 85歳以上:7万4296件
また、警察庁では、運転免許を自主返納するタイミングとして以下の項目を挙げています。
年齢に関係なく、以下の項目に当てはまる高齢者は、免許返納を検討する必要があると言えるでしょう。- 視野が狭くなり、信号や標識が見えにくくなった
- 右左折のウインカーの間違いや、出し忘れ
- 歩行者、障害物、他の車両に注意が向かない
- カーブをスムーズに曲がれない
- 車庫入れで壁や塀をこすりやすくなった
- 人通りや交通量の少ない田舎であれば、高齢者が車を運転しても大丈夫だと思うのですが?
-
認知機能や運動能力が低下している場合は、事故防止のため、人通りや交通量に関係なく車の運転を控える必要があるでしょう。
【まとめ】高齢化社会に対策するなら「ラクカイゴ」
この記事では、高齢者の移動手段に関する課題や対策、高齢者の移動をサポートする便利なサービス・商品などについて解説しました。
免許返納後、買い出しや通院などの移動手段に悩む高齢者は少なくありません。
実際に、経済産業省の調査を元にした推計では、2014年時点で約700万人の高齢者が買い物難民であることが発表されています。
また、居住する地域に公共交通機関がない場合や、自分に合った移動手段が見つからない場合は、高齢者の移動をサポートするサービス・商品の利用も検討しましょう。
ラクカイゴのWebサイトでは、高齢化社会で起こる不安や悩みを解決できる、商品・サービスについて詳しく紹介しています。
以下の公式ページから、高齢者の生活に関する悩みを選択し、あなたに合った商品を探してみてください。
\ 高齢化社会の問題に備える /
最後までご覧いただきありがとうございました。