この記事は、以下のような方にオススメです。
- 遠方で一人暮らしする高齢の親が心配な方
- 親の家事を代行するなどのサポートを希望するご家族
- 介護予防サービスで、親に健康寿命を延ばしてほしい方
この記事では、要支援や65歳以上の高齢者が利用できる生活支援サービスとは何か、詳しく解説します。
介護は必要なくても、重い荷物の運搬や庭の草むしりなど、日々の生活に不便を感じている高齢者は少なくありません。
高齢の親が遠方で一人暮らしをしている場合「ちょっとした困りごとに駆けつけてあげられない」「知らないうちに認知症が始まっていないか不安」と、悩むご家族も多いでしょう。
この記事では、定期的な見守りサービスだけでなく、掃除や電球交換などちょっとした手助けを代行してくれる生活支援サービスについて紹介します。
生活支援サービスとは、市が運営する日常のサポート
生活支援サービスとは、高齢者の日常生活をサポートする取り組みです。
住み慣れた場所でいきいきと暮らし続けてもらうことを目的に、市区町村が主体となって運営しています。
提供されるサービスは市区町村によって異なりますが、家事代行や配食、見守りなど、高齢者のちょっとした困りごとを解決するサービスが多いようです。
また、社会参加を促進する取り組みも積極的に行われています。
おもちゃの修理や刺繍教室など、経験をいかした活動ができるボランティアやサークルなどが開催されています。
生活支援サービスは2種類
生活支援サービスは、「介護予防と生活支援事業」と「一般介護予防事業」の2種類にわかれます。
- 介護予防と生活支援事業
・要支援の方もしくは基本チェックリスト該当者が受けられる支援
・日常生活のサポートやリハビリなどが受けられる - 一般介護予防事業
・地域に住む65歳以上の高齢者すべてが受けられる支援
・サークル活動や高齢者サロンを利用できる
通所サービスや生活サポートが受けられる「介護予防と生活支援事業」
「介護予防と生活支援事業」は、日常生活のサポートを受けられるサービスです。
介護施設や自宅でリハビリなどの介護予防サービスを利用できるほか、簡単な家事代行や見守りサービスなどが受けられます。
提供されるサービス内容は市区町村により異なるため、これまで実際に行われた支援の事例を3つ紹介します。
- 事例1:庭木の選定や電球の交換など、ちょっとした困りごとのサポートが受けられる(京都府笠置町)
- 事例2:デイサービスで、転倒予防や嚥下機能向上を目的としたリハビリが受けられる(静岡県静岡市)
- 事例3:高齢者の栄養改善を目的とした配食サービスを利用できる(鹿児島県肝付町)
サービスの対象者は、要介護認定で要支援1または要支援2と診断された方、もしくは基本チェックリストの該当者です。
基本チェックリストとは、健康状態や外出の頻度、うつ傾向などを診断するためのリストです。
簡単な質問に「はい」か「いいえ」で答え、その結果で支援の必要性を確認します。65歳以上の方であれば、地域包括センターなどで誰でも受診することが可能です。
「要支援ではないけれど、生活に不便を感じておりサポートがほしい」と感じている方は、ぜひ受診してみてください。
介護予防教室やサークル活動が楽しめる「一般介護予防事業」
「一般介護予防事業」とは、介護予防教室や高齢者サロン、ボランティア活動などに参加できるサービスです。
人と人とのつながりや社会貢献を通じて、認知症を予防し、高齢者が元気な毎日をおくれるよう、生きがい作りをサポートします。
参加できる教室やボランティアは、市区町村により異なります。
実際の事例をいくつか紹介するので、参考にしてください。
- 事例1:転倒や認知症予防を目的とした介護予防教室の実施(三重県四日市市)
- 事例2:ボランティア参加でポイントがたまり、換金や寄付ができる「よこはまシニアボランティア」の実施(東京都横浜市)
- 事例3:茶話会や健康体操などが楽しめるサロンの開催(大分県豊後高田市)
これらのサービスは、65歳以上であれば誰でも利用できます。
利用料金は自治体によって異なる
前述した通り、高齢者の生活支援サービスは各自治体により運営されており、内容は地域ごとに異なります。
ただし、提供サービスや金額に、それほど大きな違いはありません。
例えば、介護施設や自宅訪問で受けられるリハビリなどのサービスについては、料金の1〜3割負担で利用できる地域が多いようです。
また、電球の交換やゴミ出し、外出の付き添いなど、30分以内で完了する簡単な作業であれば、1回100〜500円ほどで依頼できる自治体がほとんどでした。
生活支援サービスを利用する手順
ここからは、実際に生活支援サービスを受けるための手順について説明します。
大まかなステップは以下ですので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
地域包括センターに相談する
基本チェックリストで状態を確認する
ケアプランを作成する
1、地域包括センターに相談する
まずは、地域包括センターにて、サポートを必要としている高齢者がいることを相談しましょう。
地域包括センターとは、高齢者の健康や生活をサポートするための総合窓口です。
医療や福祉などの専門機関と連携し、介護に関する悩みや支援の相談などを幅広く受け付けてくれます。
エリアごとに設置されているため、対象者ご本人がお住まいの地域を担当する地域包括センターに相談してください。
管轄の地域包括センターが分からない場合は、市区町村の介護相談窓口に電話で問い合わせましょう。
2、基本チェックリストで状態を確認する
次に、地域包括センターにて、基本チェックリストの診断を受けます。
基本チェックリストとは、アンケート形式の設問に「はい」か「いいえ」で答えることで、高齢者の健康状態やうつ傾向を診断できる設問リストです。
チェックリストは、全部で25個の質問で構成されています。
内容の一部を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- バスや電車に乗って一人で外出していますか?
- 15分くらい続けて歩いていますか?
- 半年前と比べて固い物が食べにくくなりましたか?
- 今日が何月何日か分からないことがありますか?
- 友人の家をたずねていますか?
3、ケアプランを作成する
チェックリストの結果、要支援1または要支援2と認定された方や、サポートが必要だと判断された方は、生活支援サービスを受けられます。
地域包括センターにケアプランを作成してもらい、サービスの利用を開始しましょう。
一方で、チェックリストの結果「今すぐサポートは必要ない」と判断された方も、ボランティア活動や介護予防教室などの一般介護予防事業サービスは利用可能です。
参加を検討する場合は、地域包括センターに相談してください。
家事代行や見守りアプリなどの便利なサービスも活用しよう
生活支援サービスだけでは物足りない場合や、対象者から外れてサービスを利用できない場合は、家事代行サービスや見守りアプリを活用するとよいでしょう。
ここでは、一人暮らしをする高齢者の見守りに役立つ便利なサービスをいくつか紹介します。
クロネコ見守りサービス | |
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サービス内容 | 見守り機能のついた電球をトイレなどに設置。電気の使用状況を遠方でも確認できる。 電気のON/OFF操作が24時間なかった場合、異常検知メールを配信。 クロネコ見守りサービスのスタッフに、代理訪問を依頼できる。 |
利用料金 | 月額1,078円(税込み)・初期費用無料 |
クチコミ | 「とても良い距離感で見守りができて安心」 「頻繁に電話するのは自分も親も負担だったので助かる」 「誰にも気づかれず一人で倒れていたら…という不安がなくなった」 |
みまもりCUBE | |
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サービス内容 | Wi-Fi環境不要の見守りカメラをレンタルできるサービス。 ベッドからの起床や玄関の出入りなどを感知し、登録したメールアドレスに画像つきで配信。 |
利用料金 | 1年プラン:5,940円(税込み)/ 月 短期プラン:7,920円(税込み)/ 月 |
クチコミ | 「外出先から様子が見られるので安心」 「玄関に設置すれば来訪者の姿も確認でき、防犯対策にも役立っている」 「一日の中で寝ていることが多く、電話をかけるタイミングがつかめるようになった」 |
まごチャンネル | |
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サービス内容 | 離れて暮らす実家のテレビに、スマホで撮った動画や写真を映し出せる。 再生された時にお知らせ通知が届くため、安否確認ができる。 |
利用料金 | 本体価格:19,800円(税込み) 年額プラン:1,375円(税込み)/ 月換算 月額プラン:1,628円(税込み)/ 月 |
クチコミ | 「設置も再生も簡単なので助かる」 「孫の日々成長する姿を見られるので、生きがいになっているようだ」 「毎日届く「見始めました通知」で、親の喜ぶ顔が目に浮かぶ」 |
【Q&A】よくある質問
- 一人暮らしできる限界の年齢はどれくらいですか?
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2019年に厚生労働省が調査した「平均寿命と健康寿命の推移」によると、健康寿命の平均年齢は、男性が約72歳、女性が約75歳だったそうです。
- 高齢者が生活で困ることはどのようなことですか?
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家具の移動や重い荷物の運搬など、力が必要な場面で苦労を感じるといった声が多く寄せられています。
さらに、足腰が弱り、長時間の歩行や公共交通機関での移動が困難になると、買い物や外出も困難になるでしょう。
- 高齢者が金銭的に困っている場合、受けられる生活支援はありますか?
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お金に余裕がなく、生活に困っている高齢者を支援する制度が何種類か用意されています。
以下に、代表的な支援を紹介します。
- 生活困窮者自立支援制度
→家賃相当の支給や自立へのサポートが受けられる - 生活福祉資金貸与制度
→無利子または低金利で生活資金を借りられる - 生活保護制度
→生活に必要最低限の費用を支給してもらえる
- 生活困窮者自立支援制度
【まとめ】介護を楽にするサービスを探すなら「ラクカイゴ」
この記事では、高齢者の生活支援サービスとはどのようなものかについて紹介しました。
高齢の親が一人暮らしをしている場合「元気にすごしているか不安」「何か困っていないか心配」と、悩むご家族は多いでしょう。
内閣府の調査によると、65歳以上で一人暮らしをする高齢者は増加の傾向にあり、2040年には高齢者全体の約20%を超えると予測されています。
さらに、今後は介護職員の人手不足や高齢者の増加により施設の空きが減少し、入所が困難になるケースが増えると考えられます。
長く住み慣れた自宅で、できるだけ長くいきいきと暮らせるよう、ぜひ今回ご紹介したサービスを活用してみてください。
また、見守りシステムや看護師の資格を持った家政婦など、便利なアイテムやサービスを活用することもおすすめです。
ラクカイゴのWebサイトでは、トップページのカテゴリから介護に関する悩みを選択すると、あなたの介護を楽にするサービスを見つけられます。
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最後までご覧いただきありがとうございました。