この記事は、以下のような悩みを持つ方にオススメです。
- 介助による腰痛を予防したいが、そもそもどのような動作・姿勢が腰痛の原因となっているか分からない方
- 腰の痛みを一時的に軽減するだけではなく、腰痛を引き起こさないようにするための方法を知りたい方
- 介助の質を保ちながら、介護職員の腰にかかる負担を軽減できる福祉用具を導入したいとお考えの方
「高齢者の身体を支える際、腰に負担がかかり痛みを感じる…」
「サポーターで腰の痛みを和らげながら働いているが、日々介助を行うため腰痛が完治しない…」
高齢者の介助は、腰に負担がかかる姿勢と動作が多いため、このような悩みを抱える介護職員は多いでしょう。
腰に痛みや違和感を感じたまま介助を続けると、腰痛の悪化や慢性化につながる可能性があるため注意が必要です。
この記事では、介護職員が腰痛になる原因や、腰痛の対策・予防におすすめの商品について解説します。
「腰痛を引き起こす原因を理解し、腰への負担を軽減しながら介助を行いたい」という方は、ぜひご覧ください。
腰痛を抱える介護職の割合
「介護職は腰痛になりやすい」と言われますが、実際どれくらいの方が腰痛を抱えているのでしょうか?
厚生労働省の調査では、介護職を含む保健衛生業において、「業務中の負傷が原因で4日以上休業した件数」が2,228件と報告されています。
そのうち、原因の約92%を占めており、1年間で2,050件にものぼる負傷が災害性腰痛です。
対して、保健衛生業以外の業種では、「業務中の負傷が原因で4日以上休業した件数」に対する災害性腰痛の割合は、約80%にとどまっています。
つまり、さまざまな業種の中でも、介護職は特に腰痛を引き起こしやすい業種であると言えるでしょう。
介護における腰痛の症状はどんな感じ?
高齢者の身体を支えたり無理な姿勢で介助したりする際、腰周りに痛みや違和感を感じることがあるでしょう。
また、介助時に腰にかかる負担が積み重なり、退勤後に遅れて痛みを感じることも多いのではないでしょうか?
介護職員の中には、腰回りの痛みが慢性化して当たり前になっていたり、腰にかかる負担に気づいていないという方もいらっしゃいます。
しかし、腰の痛みや違和感を放置すると、介助に支障が出ることはもちろん、立ち上がりや歩行すらもできないようになる場合もあるのです。
なぜ腰痛が?介護職員が腰痛になる原因
介護職員に腰痛を抱える方が多い理由は、介助において腰に負担がかかる姿勢と動作が多いためです。
腰に痛みや違和感を感じたまま介助を続けると、腰痛の悪化や慢性化につながる可能性があるため注意が必要になります。
そこで、腰痛の発症や悪化、慢性化などを防ぐために、まずは腰痛を引き起こす具体的な原因を把握しておくことが重要です。
ここでは 、介護職員が腰痛を引き起こす主な原因について解説します。
- 高齢者を抱き抱えたり、持ち上げたりする動作
→歩行・排泄・移乗・入浴・更衣などの介助を行う際に多い - 中腰や前かがみの姿勢
→おむつ交換・体位交換・立位介助などを行う際に多い - 腰をひねる動作
→排泄・食事・入浴などの介助を行う際に多い - 長時間の立ち仕事
→基本的に座り仕事が少なく、長時間立ち続けることが多い
上記のような姿勢・動作での介助は、腰回りに負担がかかり、腰痛を引き起こす原因となります。
腰回りへの負担を軽減し、腰痛になるリスクを下げるためには、介助の仕方や仕組みを改善する必要があるでしょう。
介護での腰痛を防止するために行われてきた対策
ここまで、介護職員が腰痛になる割合や原因をお伝えしてきました。
では、具体的にどのように介助を行えば、介護職員の腰痛を防げるのでしょうか?
この章では、介護職員が腰痛を予防するために行ってきた対策について見ていきましょう。
コルセット・ベルト・サポーターは、もう古い!?
腰に痛みや違和感を覚えた際、コルセットやベルト・サポーターなどを利用するという介護職員は多いでしょう。
コルセット・ベルト・サポーターなどは、腰を固定することで痛みが発生しづらい姿勢を保ちます。
そのため、すでに腰に痛みや違和感がある方は、コルセット・ベルト・サポーターなどを装着することで腰への負担や痛みの軽減が可能です。
しかし、コルセット・ベルト・サポーターなどでは、腰痛の根本的な原因を解消することはできません。
腰痛を軽減するだけでなく、そもそも腰痛を引き起こさないようにするためには介助の仕方や仕組みを改善する必要があるのです。
もともと力の弱い女性が急に筋肉をつけるのは難しい
腰痛を予防する方法の1つとして、筋力トレーニングを取り入れている介護職員は多いのではないでしょうか?
腰回りの筋力が不足している場合、骨盤をまっすぐに支える力が衰え、背骨や腰椎に負担がかかります。
そして、背骨や腰椎への負担が大きくなると、腰痛を引き起こすのです。
そのため、腰回りの筋肉を鍛えて体幹が安定すれば、背骨や腰椎への負担を抑え、腰痛を予防する効果を期待できます。
しかし、一般的に、女性は男性より筋肉がつきにくいと言われているのです。
女性は、筋肉の発達に必要なホルモン「テストステロン」の分泌量が少なく、男性の10〜15分の1と言われています。
腰痛の改善・治療には時間がかかる
腰痛の改善・治療には、ストレッチやマッサージ・電気治療・腰痛対策グッズの使用など、さまざまな方法があります。
しかし、どのような方法で腰痛を防止しても、痛みが完全に無くなるまでには時間がかかりがちです。
特に、介護職員は、腰痛が完全に治りきらないまま介助を行うという場面も多いでしょう。
そのような場合、腰痛が完治するまでにさらに多くの時間を要し、常に腰の痛みを感じながら介護を行うこととなるのです。
腰痛の予防に役立つ!おすすめ商品3選を紹介
これまで介護現場では、腰の痛みを和らげるためにコルセット・ベルト・サポーターなどが使用されてきました。
また、筋力トレーニングやマッサージなどで痛みを和らげながら介助を続けてきた介護職員も多いでしょう。
しかし、上記でも解説したように、このような方法は多くの時間がかかるだけでなく、根本的な解決とは言えません。
つまり、介護職員が腰痛を引き起こさないようにするためには、介助の方法や仕組み自体を改善する必要があるのです。
ここからは、腰痛の予防に役立つ商品を3つ紹介しますので、介助に新しい方法や仕組みを取り入れ、根本的な腰痛の改善を目指しましょう。
1、移乗介助をロボットに任せたいなら「Hug」
Hugとは、1人での立ち上がりが難しい高齢者の移乗をサポートするロボットです。
あなたは、移乗介助の際、「誰かが代わりに高齢者の身体を持ち上げてくれたらな…」と思ったことはありませんか?
まさにHugは、ボタン操作1つで、介助者に代わって利用者様を持ち上げてくれるロボットなのです。
そのため、介助の知識がない方や介助に不慣れな方でも、腰に負担をかけずに移乗や立位保持をサポートできます。
さらに、特別な装具や事前準備も不要なため、使用時に手間がかからない点も、大きな魅力でしょう。
2021年の3月に開催された第9回ロボット大賞では、Hug T1-02が介護・医療・健康分野における最高位である厚生労働大臣賞を受賞しました。
他にも、Hugはテレビや新聞など幅広いメディアで取り上げられている商品です。
実際に、2015年頃から販売を開始したHugは、2024年2月時点で累計販売台数が約4,000台にものぼります。
介護の負担を減らしつつケアの質を高める流れが来ることを考えると、今後がますます楽しみな商品であると言えるでしょう。
Hugを導入した施設の感想や利用者からの反応、運営者の思いなどはこちらの記事でご覧いただけます。
2、ベッド介助を1人で楽に行うなら「ベッドdeすっきり」
ベッドdeすっきりは、ベッド介助の負担を軽減できる福祉用具です。
あなたは、ベッド介助を行う際、1人で高齢者の身体を支えられず困った経験はないでしょうか?
ベッドdeすっきりは、力が必要なベッド介助を、1人でも少ない負担で行えるよう開発された商品です。
ベルトとシートの2種類で構成されており、以下のようなベッド介助の一連の流れをサポートしてくれます。
利用者を仰向けから横向きへ変換
側臥位を維持し、清拭・陰洗・薬の塗布
力をほとんど使わずに利用者を上下に移乗
実際にベッドdeすっきりを使用したベッド介助は、以下のYouTube動画(約5分)からご覧いただけます。
ベッドdeすっきりを使えば、ベルトで利用者の側臥位を維持できるため、1人でも簡単にベッド介助を行えます。
そのため、ベッド介助で腰などに負担を感じている介護職員や、ベッド介助に割くスタッフ数を削減したいと考える高齢者施設におすすめです。
ベッドdeすっきりは、現役の介護職員が「ベッド上での介助をもっと楽に行えないか」と考え、現場経験に基づき開発しました。
体格が大きい高齢者にも使用できる点や、背が低い介護職員でも扱いやすいベルト仕様となっている点など、現役介護職員ならではの視点が生かされ、利便性の高い商品が実現しているのです。
ベッドdeすっきりの魅力について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
3、ベッドから車椅子への移乗自体を無くしたいなら「希望(のぞみ)」
中央離脱式ベッド「希望(のぞみ)」は、中央部分が車椅子に切り替わるベッドです。
1日に何度も行う移乗介助に負担を感じ、「いっそのことベッドに乗せたまま移動できれば…」と思ったことがある介護職員もいるのではないでしょうか?
「希望」は、リモコン操作ひとつで、簡単にベッドから車椅子へ切り替わります。
そのため、ベッドから車椅子への移乗自体を無くすことができる画期的な商品なのです。
さらに、「希望」は、リクライニング時にお尻の部分が沈み込む仕様で、体全体が足元の方にズレることを予防します。
一般的な介護用ベッドとは異なり、褥瘡を軽減できる点も大きな魅力と言えますね。
「希望」は、15年ほど前にアメリカで行われた医療機器関連分野の展示会「MD&M WEST」に出展した際、セグウェイを開発した社長から「いい商品だ」と高い評価を受けたことがあるそうです。
世界的にも高い技術力を誇るセグウェイの社長から評価されている点からも、「希望」の商品力の高さが伝わります。
中央離脱式ベッド「希望」の特徴や開発のきっかけについて知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
介護の腰痛に関して、よくある質問
- 腰痛の症状は、介護職員ならずっと付き合っていくしかないのでしょうか?
-
介護職員でも、介助の方法や仕組みを変えることで、腰痛の予防・改善が可能です。
腰痛を予防・改善するためには、介助の際に正しい姿勢を意識したり、介護職員の腰へかかる負担を軽減できる福祉用具を取り入れたりする方法があります。
- 介護技術を学んだり筋トレをしたりしても、なかなか腰痛が回復しません。
-
腰痛を予防・改善する方法として、さまざまな介護技術やトレーニングが紹介されることがあります。
しかし、必ずしも全員に効果があるわけではなく、個人の運動神経や体格などによって効果に差が生じるのです。そのため、腰痛を予防・改善したい場合は、自分が取り入れやすい方法や効果を感じやすい方法を選ぶと良いでしょう。
この記事で紹介したような新しい介護の方法を取り入れると、個人差が少なく腰痛を改善するのに役立ちます。 - 腰痛のために仕事を辞めたいと考えているのですが、労災などの手当は受けられますか?
また、ドクターストップが出れば休めるのでしょうか? -
介護によって蓄積された腰痛は、労災などの手当を受けられないことが一般的になります。
介護現場で労災が認められる腰痛は、災害性腰痛・非災害性腰痛の2種類です。
災害性腰痛とは、以下2つの要件を満たす腰痛を指します。
①腰に受けた外傷によって生じる腰痛や、突発的な強い力が原因となり筋肉等が損傷して生じた腰痛であると明確に認められる
②腰にかかった力が、腰痛を発症させたり、腰痛を著しく悪化させたりした原因であると医学的に認められる
(例:無理な姿勢で高齢者を移乗することとなりギックリ腰になった場合)一方で、非災害性腰痛とは、日々の仕事で蓄積された負荷により発症したと認められる腰痛を言います。
災害性腰痛、もしくは非災害性腰痛腰痛として労災認定された場合は、休業4日目からの休業補償や治療にかかった実費の受給が可能です。
また、腰痛の後遺障害が残った場合は、後遺障害の等級に応じた補償を受けられる場合もあります。
【まとめ】ラクカイゴで介護負担を減らそう!
介護職員は、腰に負担がかかる姿勢と動作が多いため、腰痛を引き起こしやすい業種です。
腰痛は、一度発症すると完治までに多くの時間を要し、状態によっては高齢者の介助を行えなくなることもあるでしょう。
そのような事態を避けるためにも、介護現場では、介護職員が腰痛にならない仕組みづくりを行うことが重要です。
今回ご紹介した福祉用具などを導入し、介護職員が腰への負担を感じず快適に介助を行うための仕組みや環境の整備をご検討ください。
以下の公式ページから、介護に関する悩みを選んで、あなたに合った商品を探してみてください。
\ 介護負担を減らし、ケアの質を高める /
最後までご覧いただきありがとうございました。