この記事で解決できるお悩み
- 夜間に1人暮らしの要介護者に不測の事態が起こったら、どうしよう…
- 夜間対応型訪問介護とは具体的にどのようなサービスが受けられる?
- 24時間のヘルパーを受けたい場合はどうすればいい?
この記事では、1人暮らしの方も安心して眠れる夜間対応型訪問介護サービスについて紹介します。
夜間対応型訪問介護を正しく利用できると、利用者や家族も夜の不安が軽減されると思いますので、ぜひご覧ください。
夜間対応型訪問介護とは?
夜間対応型訪問介護は、夜間帯に訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問するサービスです。
訪問には、2種類の「定期巡回」と「随時対応」があります。
定期巡回は、18時〜翌朝8時の夜間に定期的に自宅を巡回して、安否や健康状態をチェックしてくれます。
また、随時対応では、利用者の状況に合わせて対応が可能です。
例えば、中重度の要介護状態の方がベッドから落ちて自力で起き上がれない時や急に体調が悪化した時などに、救急車の手配などをしてもらうことができます。
対象者・利用条件
夜間対応型訪問介護の対象者は、要介護1〜5の認定を受けた方です。
要支援1〜2の方は利用できないため注意しましょう。
また、住民票の場所が利用する事業者と同じ市町村にある方が対象です。
費用・料金表
夜間対応型訪問介護の料金は、利用するサービス内容や訪問する介護職員の人数によって異なります。
サービス内容 | 料金(1割負担) |
---|---|
基本夜間対応型訪問介護 | 1,009円/月 |
定期巡回サービス | 378円/回 |
随時訪問サービス(1名による訪問) | 576円/回 |
随時訪問サービス(複数名による訪問) | 775円/回 |
24時間のヘルパー対応は「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」
夜間対応型訪問介護に似たサービスに定期巡回・随時対応型訪問介護看護というサービスがあります。
主な違いは以下の表の通りです。
夜間対応型 | 定期巡回・随時対応型 |
---|---|
時間帯が18時~翌朝8時 | 時間帯が24時間365日 |
医療な対応が不可能 | 訪問看護で医療的ケアが可能 |
呼出回数に応じて料金加算 | 料金は月額で定められる |
つまり、選び方としては「昼間の巡回」や「看護」が必要かどうかでサービスを検討するのがオススメです。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護について詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご確認ください。
サービスの内容
ここから、サービスの具体的な内容を紹介します。
夜間対応型訪問介護のサービスは以下の3種類に分類可能です。
- 夜間の決まった時間に訪問する定期巡回サービス
- ヘルパーが連絡に応じて対応する随時訪問サービス
- 利用者からの連絡を受けるオペレーションサービス
定期巡回サービス(夜間の決まった時間に訪問)
定期巡回サービスでは、あらかじめケアプランで決められた時間に訪問ヘルパーが利用者の自宅を訪問します。
1回の訪問時間は30分が目安で、訪問回数もケアプラン作成時に定められています。
訪問して行うことは、排泄介助や寝返り介助、おむつ交換、安否確認などです。
随時訪問サービス(ヘルパーが連絡に応じて訪問)
次に随時訪問サービスでは、夜間に緊急で対応してほしい時に利用者からの連絡に応じてヘルパーが訪問します。
例えば、利用者の体調が急変したり起き上がれなくなったりしたときなどの緊急時に、連絡すると適切な対応を受けることが可能です。
1回の訪問時間は30分が目安となっており、サービス時間内(18時〜翌朝8時)であれば複数回の利用ができます。
ただし、訪問回数に応じて、その都度料金がかかる点には注意しましょう。
緊急時、随時訪問を呼ぶために連絡する手段としては、事業所から渡される「ケアコール端末」を使います。
なお、夜間対応型訪問介護は、訪問看護ステーションや主治医と連携しており、緊急時の医療対応も迅速に対応できる体制です。
オペレーションサービス(利用者からの連絡を受信)
最後に紹介するのが、随時訪問サービスの際、利用者からの連絡を受けるオペレーションサービスです。
オペレーションサービスでは、連絡を受けたオペレーターが連絡内容をもとに随時訪問の対応を判断します。対応方法の判断は、ヘルパーの訪問や主治医への連絡、救急車の手配など様々です。
オペレーターの職種は、看護師や介護福祉士、医師、保健師、社会福祉士、准看護師、ケアマネジャーなどの資格を持つ専門家となっています。
また、オペレーションサービスには利用者の健康データが蓄積されており、健康状態などに合わせた正確な判断ができるような体制が整えられているのです。
受けられないサービス
なお、ヘルパーに訪問してもらった場合も、以下のようなサービスを受けることはできないため注意しましょう。
利用者以外の方に対するサービスとして、家族への家事の手伝いや来客対応などはできません。
また、日常生活の支援範囲を超えるサービスとして、草むしりや窓ふき、ペットの世話などを受けることもできないため注意しましょう。
利用するには?
申請から手続きまでの手順
夜間対応型訪問介護を利用したい場合は、以下の5ステップで手続きを行いましょう。
- 要介護1~5の認定を受ける
- ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談
- 希望する事業所を選ぶ
- ケアプランを作成する
- 事業所と契約し、サービスを利用する
まずは、ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談する必要があります。
事業所を選ぶポイント
夜間対応型訪問介護の事業所を選ぶ際に重要になるのが、自宅と事業所の距離です。
事業所から自宅までの距離が近いほど、緊急時などにすぐに駆けつけてもらうことができます。
なるべく自宅から近い事業所を選ぶようにしましょう。
メリット・デメリット
メリットとして挙げられるのが、家族の介護負担を軽減できることです。
家族が介護する場合、夜に要介護者の家に泊まると自分の時間が少なくなってしまいます。
しかし、夜間対応型訪問介護を利用することで、要介護者も家族も安心して眠ることが可能です。
一方でデメリットとして挙げられるのは、料金が高額になる可能性があります。
サービスを利用するたびに費用が発生するため、計画的に利用する必要があるでしょう。
まとめ
この記事では、夜間対応型訪問介護について紹介しました。
夜間対応型訪問介護は、18時〜翌朝8時の夜間帯に訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問するサービスです。
具体的なサービス内容には、3種類あるため必要に応じて選ぶようにしましょう。
- 夜間の決まった時間に訪問する定期巡回サービス
- ヘルパーが連絡に応じて対応する随時訪問サービス
- 利用者からの連絡を受けるオペレーションサービス
利用したい場合は、まずケアマネージャーや地域包括支援センターに相談する必要があります。
事業所を選ぶ際は、自宅から近い事業所を選ぶことが重要です。
最後までご覧いただきありがとうございました。