この記事は、以下のような方にオススメです。
- 定年退職後の生きがいを探している方
- ボランティアに参加して、社会貢献したい60歳以上の方
- 元気で活動的な老後を目指している方
この記事では、60代から始められるシニア向けのボランティアについて、詳しく解説します。
「定年退職したけれど、まだまだ元気だし、何か社会の役に立ちたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
東京都が実施した定年後の過ごし方に関するアンケートによると、約8割の方が「ボランティアなどの地域活動に積極的に参加したい」と回答しています。
しかし、具体的にどのような活動があるのか、また、どう始めればよいのか分からず、動き出すのをためらっている方も少なくないでしょう。
この記事では、65歳以上の方が活躍できるボランティアについて、具体例や始め方をまじえながら分かりやすく解説します。
定年後の新しい選択肢「シニアボランティア」
シニアボランティアとは、定年を迎えた60歳以上の方が活躍するボランティア活動のことです。
継続して参加できる長期の活動も多く、定年後の新しい活躍の場として、シニアボランティアが注目を集めているのです。
特に2012年以降、団塊世代が定年を迎え、仕事や趣味で培った知識や技術を活かし、社会貢献する方が増えています。
また、介護施設や障がい者施設など福祉施設でのボランティア活動もあり、人手不足の解消が期待できると関心が高まっています。
高齢者がボランティアに参加するメリットは3つ!
シニアボランティアの利点は、社会貢献だけではありません。
高齢者がボランティア活動に参加することで、本人にも多くのメリットがあります。
- 定年後の生きがいが見つかる
- 健康寿命をのばす効果が期待できる
- 社会とのつながりが生まれる
以下で、それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。
1、定年後の生きがいが見つかる
長年、働くことで社会に貢献してきた方の中には、退職後に「自分の居場所を失った」と感じ、喪失感を抱える方も少なくありません。
第二の人生を楽しむ新しい選択肢として、社会貢献や仲間作りを目的にシニアボランティアを選択する方が増えています。
仲間と体を動かし、人と交流しながら仕事や趣味の経験を活かすことで、生きがいややりがいを見つけるきっかけになるのです。
また、これまで休みなく働き続けてきた方の中には「少しのんびりしたい」という気持ちを持つ方も多いでしょう。
そのため、気軽に参加でき、自分のペースで無理なく続けられるボランティアが人気を集めています。
2、健康寿命をのばす効果が期待できる
「定年後は、家でゴロゴロしてテレビばかり見ている」という話をよく耳にします。
数日であれば問題ありませんが、心配なのは筋力の低下です。
これまで、会社に出勤して働いていた方にとって、定年後は運動量が大きく減ることが予想されます。
ボランティアに参加して活発に体を動かし、メリハリのある生活をおくることで、体力維持を目指しましょう。
また、近年、他者とのコミュニケーションが認知症のリスクを低減することが分かってきました。
人と会う機会を増やし、刺激のある生活をおくることで、脳が活発に働き、認知症リスクの低減が期待できるのです。
3、社会とのつながりが生まれる
定年後、やることがなく、ほとんどの時間を家ですごす「高齢者の閉じこもり」が問題となっています。
長期間閉じこもった生活を続けると、人との関わりが減り、「困った時に頼れる人が周りにいない」「何日も誰とも会話していない」など、社会的に孤立する恐れがあるのです。
ボランティア活動に参加することで、積極的に社会とふれあい、人とのつながりを築けます。
閉じこもりを解消して、いきいきとした活動的なシニアライフを楽しめるでしょう。
高齢者ボランティアの具体的な事例を5つご紹介!
ここまでは、高齢者がボランティアに参加するメリットについて解説しました。
しかし、「具体的にどんな活動があるの?」「本当にシニアでも楽しく参加できる?」と不安に感じる方も多いかと思います。
ここからは、65歳以上の方が活躍できるシニアボランティアについて、具体的な内容も含めて5つ紹介します。
- 町づくりや地域活動
- 子どもや学生のサポート
- 博物館や資料館、観光地でのガイド
- 介護施設のサポート
- 地域の防災ボランティア
1、町づくりや地域活動
公園や駅といった公共施設の清掃や、地域イベントなどの運営を手伝うボランティアです。
シニアだけでなく、若い世代も多く参加しており、幅広い年代と交流が楽しめます。
地域に根ざした活動が多いため、気軽に参加でき、身近な場所で顔なじみができる点も魅力です。
地域とのつながりが深まることで、普段からの交友関係が広くなり、社会的な孤立の解消が期待できるでしょう。
- 地域にある里山や海、川などの清掃活動
- マラソン大会や市民運動会などの運営サポート
- 公民館や公園など、地域の公共施設の管理運営
実際に参加した方の感想
【地域のスポーツボランティアに参加した男性】
みなさんになじめるかどうか不安だったが、温かく迎えてもらい嬉しかった。今後も活動を続けていきたい。
【地域の清掃活動に参加した男性】
近隣に住む者として、少しでも町の清掃に協力できて良かった。
【台風後の海岸清掃に参加した女性】
午前中1時間だけという活動で、無理なく続けられるのが嬉しい。
参加方法
- 地域の広報誌で募集を探す
- 地域の社会福祉協議会(ボランティアセンター)に相談する
- ボランティア団体に所属する
2、子どもや学生のサポート
子どもや学生と関わる活動も人気があります。
子育て世代の家事代行や一時預かり、学習指導など、子育て経験や豊富な学びの知識を活かして活躍できるボランティアです。
子育てや子どもに関する研修を受けられる機会が多いため、「孫の世話をしたいから、きちんと子育てを学び直したい」という男性からも人気があります。
「子どもの笑顔や元気な姿にパワーをもらっている」という声も多く、これからの未来を支える子どもたちを支援する、やりがいのあるボランティアです。
- いじめ相談電話の相談員
- 子ども食堂の運営や手伝い
- キャンプや修学旅行などに同行する見守りボランティア
- フリースクールや病院での学習支援
- 子育て世帯で家事代行や子どもの遊び相手などのサポート
実際に参加した方の感想
【子育てボランティアに参加した女性】
出産や子育ての経験を活かして、地域に貢献できるのが嬉しい。
【子どもの一時預かりに参加した男性】
人見知りで怖がっていた子が、最後には「ありがとう」と笑顔でバイバイしてくれたりすると、嬉しくなります。
【いじめ電話相談の相談員をしている女性】
これからを担う子どもたちの未来を守るお手伝いができて、誇らしい気持ちです。
参加方法
- ボランティア団体に所属する
- 地域の社会福祉協議会(ボランティアセンター)に相談する
- インターネットで募集を探す
3、博物館や資料館、観光地でのガイト
ガイドボランティアは、観光地や博物館などで、訪れるお客様にその魅力を伝えるボランティアです。
来場者との交流を通して、「ありがとう、勉強になったよ」「おもしろかった」といった感謝の言葉を直接かけてもらえるため、やりがいも大きいでしょう。
また、美術館や博物館が好きな方は、ボランティアを通じて同じ趣味の友人ができることも珍しくありません。
普段の生活では出会えない、世代や職業をこえた仲間と出会える点も、ガイドボランティアの魅力です。
- 修学旅行相手の観光地同行ボランティア
- 城や遺跡など歴史的名所の解説ボランティア
- 美術館や博物館のガイドボランティア
実際に参加した方の感想
【駅前観光案内ボランティアをしている女性】
過去に習得した英語を話す機会ができ、とても楽しいです。刺激をたくさんもらっています。
【城の観光ガイドボランティアをしている男性】
ガイドをした小学生からお礼の手紙をもらったときは、とても嬉しかったです。
【博物館ガイドのボランティアをしている男性】
ボランティアや職員との交流会があり、博物館好きの仲間ができた。
参加方法
- 博物館や資料館のホームページを見る
- 地域の社会福祉協議会(ボランティアセンター)に相談する
- 地域の広報誌で探す
- ボランティア団体に所属する
4、介護施設のサポート
介護施設などで、高齢者や障がい者のサポートや、スタッフのお手伝いをするボランティアです。
清掃やレクリエーションのサポートなど、介護の知識や資格がなくても参加できる内容なため、誰でも気軽に挑戦できます。
高齢化が進み、介護施設の人手不足が問題となっているため、社会貢献を考えている方にもおすすめのボランティアです。
充実した研修が整っており「親の介護に役立てたい」「介護予防の知識を身につけたい」という方からも人気があります。
- 共有スペースの清掃
- シーツ交換
- 食事の配膳
- 利用者の話し相手
- レクリエーションの補助 など
実際に参加した方の感想
【施設で洗濯たたみの活動をする女性】
ボランティア活動をすることで、元気をもらっている。仲間と楽しみながらできるのがよい。
【利用者の話し相手ボランティアに参加する男性】
「スタッフの子たちより歳が近くて、話が合う」と喜ばれます。会話がはずみ、「また来てよ」と言われると嬉しくなります。
【介護施設で調理補助ボランティアに参加した女性】
初めてで緊張したけれど、スタッフの方が優しく丁寧に指導してくれて安心できた。料理が好きなので、趣味を活かして社会貢献できるのが嬉しい。
参加方法
- 地域の社会福祉協議会(ボランティアセンター)に相談する
- 近隣の介護施設に電話で問い合わせる
- インターネットで募集を探す
5、地域の防犯ボランティア
地域の防犯ボランティアは、住民の安心を支える大切な活動です。
子どもの登下校を見守ったり、青色防犯パトカーで巡回したりと、住み慣れた地域の安全を守ります。
見守り活動を通して、近所の方や子どもたちとの交流が生まれ、「いつもありがとう」「お疲れさま」といった温かい言葉をかけてもらえる、やりがいのある活動です。
また、地域に密着した活動だからこそ、近隣に住む仲間とのつながりが深まり、一緒に町を守る喜びを共有できる点も魅力です。
- 子どもの見守りパトロール
- 青色防犯パトカーでの巡回
- あいさつ声かけ活動
- 駅前での防犯見回り
実際に参加した方の感想
【青色防犯パトカーでの巡回をしている男性】
ひったくりワーストワンの地域として有名だったが、巡回を始めて汚名を返上できた。町を守っている実感があり、やりがいを感じている。
【登下校の見守りボランティアをする男性】
孫くらいの子どもたちが元気にあいさつをしてくれたり、話しかけたりしてくれる。若い元気をもらって、毎日の生きがいになっています。
【地域パトロールに参加する女性】
1回のパトロールで6000歩ほど歩くので、よい運動になります。体を動かすので夜もよく眠れて、健康にいいんです。
参加方法
- 最寄りの警察署や交番に問い合わせる
- 地域の社会福祉協議会(ボランティアセンター)に相談する
- ボランティア団体に所属する
シニアボランティア参加時の注意点
まず1つ目は、健康管理です。
介護施設や子育て支援のボランティアでは、免疫の少ない高齢者や幼児と接する機会が少なくありません。
ボランティア仲間や活動先に迷惑をかけないためにも、少しでも体調に異変を感じた際は、我慢せず活動を休んでください。
また、活動内容によっては、長時間にわたる拘束や体力が必要な作業も少なくありません。
体調を万全に整え、無理のないペースで、元気にボランティアを続けましょう。
2つ目の注意点は、人間関係です。
ボランティア活動を始めると、人と接する機会が増えるでしょう。
ときには、人間関係で悩むことがあるかもしれません。
そのような場合は、無理をせず、思い切ってしばらく休んだり、ボランティア団体や活動場所を変えたりすることも重要です。
自分に合った場所を探すためにも、柔軟な姿勢で取り組みましょう。
最後に3つ目は、活動中の思わぬ事故についてです。
ボランティア活動中のケガや、第三者の物を壊してしまった場合に利用できる「ボランティア保険」に加入しておきましょう。
社会福祉協議会の保険であれば、年間数百円程度で利用できるため、経済的な負担も大きくありません。
加入を希望する際は、最寄りの社会福祉協議会窓口にご連絡ください。
【Q&A】よくあるご質問
- シニアのボランティアに年齢制限はありますか?
-
ほとんどのボランティアに年齢制限は設けられていません。
ただし、海外派遣などの特殊な活動については、上限がある募集もあります。 - シニアがボランティアに参加するデメリットを教えてください。
-
身体的に無理のある活動に参加し、腰や膝を痛めてしまうケースがあります。
また、活動場所への交通費などは参加者負担の場合が多く、経済的な負担もデメリットのひとつです。 - ボランティアを始めたいけれど、どのボランティアが自分に合っているか分からない。
-
地域の社会福祉協議会にある「ボランティア受付担当窓口」に相談してみましょう。
希望の活動内容や参加できる日時に合わせて、ボランティア団体の紹介などをしてもらうことができます。
65歳以上でもボランティアで楽しく生きる!
この記事では、65歳以上でも社会に貢献し、充実したシニアライフを楽しめるボランティア活動について紹介しました。
経験や知識を活かし、地域や社会に貢献できるボランティア活動は、健康維持やいきがいになるでしょう。
また、新たな人間関係や仲間が広がり、地域や社会とのつながりが感じられる点も魅力です。
しかし、これまでにボランティア経験がなく「自分にできるか不安」という方もいるかと思います。
1〜2日から始められるボランティアもあるので、まずは気軽に短期から始めてみてはいかがでしょうか。
ぜひ、シニアボランティアに参加して、充実したセカンドライフを楽しみましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。