この記事で解決できるお悩み
- 利用者の体格や状態に合わせた車椅子をレンタルできるかな?
- 介助者の負担が少ない車椅子を選びたい
- 車椅子をレンタルする流れや選び方は?
この記事では、介護保険でレンタルできる車椅子の費用や対象者について詳しく紹介します。
この記事を読めば、車椅子をレンタルするメリット・デメリットや注意点までわかりますので、ぜひご覧ください。
車椅子のレンタルとは?
介護保険では、利用者の身体状態に合わせて介護用品をレンタルすることができます。
一般的に「福祉用具貸与」と呼ばれ、在宅介護で使用する介護用品を借りられるサービスです。
一度購入すると10万円ほどする車椅子ですが、レンタルすることで月額1000円ほどで利用できます。
高齢者の心身状態や生活環境は変化しやすいため、状況に応じて介護用品を変更しやすいレンタルは便利です。
車椅子以外の介護用品についてもレンタルしたい方は、こちらの記事も合わせてご確認ください。
購入との違い
介護用品をレンタルできる制度がある一方で、購入することも可能です。
汚れなどを気にせず自由に使いたい方は購入することもよいでしょう。
また、長期的に利用することを決めている場合などは、購入する方が支払う金額が安くなることもあります。
車椅子以外の介護用品を購入したい方は、こちらの記事をぜひご覧ください。
対象者・利用条件
車椅子をレンタルできるのは、原則として要介護2〜5の認定を受けた方と定められています。
ただし、例外として要支援1〜2・要介護1の方でもレンタルできる場合があります。
具体的な条件は以下の通りです。
参考:厚生労働省による「要支援・要介護1の者に対する福祉用具貸与について」
- 日常的に歩行が困難な者
- 日常生活範囲における移動の支援が特に必要と認められる者
なお、上記の条件に該当するかどうかの判断については、医師の所見やケアマネジメントの判断などが必要になります。
そのため、基本的には要介護2〜5の認定を受けた方が車椅子をレンタルできると考えられるでしょう。
もし、どうしても車椅子が欲しい場合は購入を検討してみるのもよいかもしれません。
金額・価格・料金はいくら?
介護保険でレンタルできる車椅子の種類には4種類があります。
それぞれの費用について、目安の金額を表にまとめました。(自己負担1割)
種類 | 月額料金 |
---|---|
自走式車椅子 | 300~800円 |
介助式車椅子 | 400~800円 |
電動車椅子 | 2,000~8,000円 |
シニアカー | 1,000~3,000円 |
レンタルできる車椅子の種類
ここから、介護保険を適用できる以下4種類の車椅子とそれぞれの特徴について解説します。
- 自走式車椅子
- 介助式車椅子
- 電動車椅子
- シニアカー
自走式車椅子
自走式車椅子は、利用者自身がタイヤの外側部分を手でこいで操作するタイプの車椅子です。
なお、介助者が後ろから押して動かすことも可能ですので、ご安心ください。
自分で動かす分、電動用と比べて格安で利用できる点が特徴です。
また、タイプやデザインが豊富ですので、利用者に合った車椅子を選びやすいでしょう。
例えば、超軽量タイプや小回りが利くコンパクトタイプ、自動ブレーキ機能付きタイプなど幅広いです。
自走式車椅子がおすすめの方としては、「できる限り自分のことは自分でしたい」「自分で目的地へ移動したい」と考えている方です。
介助式車椅子
介助式車椅子は、介助者が後ろから押して移動に必要な操作を行うタイプの車椅子です。
自走式車椅子とは異なり、利用者自身が操作して動かせないため、介助者が居る場合にのみ利用できます。そのため、介助式車椅子では、介助者がブレーキバーを掴むなどして操作することが必要です。
また、特徴としては、軽く持ち運びしやすい点が挙げられるでしょう。
介助式車椅子を利用するのがおすすめの方は、認知症などの疾患を抱えており、自走してしまうとリスクがある方です。
電動車椅子
電動車椅子は、電動モーターによって動く全自動タイプの車椅子です。
バッテリーが搭載されていたり4つのタイヤがついていたりと、安全を重視したバイクをイメージするとよいでしょう。
手元のレバーやボタンを押すだけで前後左右に動くため、坂道も楽に移動することができます。
ただし、電気によって全自動で動く分、費用が高くなったり重たく持ち運びにくかったりする点がデメリットです。
しかし、それらのデメリットを踏まえても、利用者自身で車椅子をこげない場合や介助者が居ない場合でも利用できるため便利な車椅子といえます。
シニアカー
シニアカーは、外出する際に利用するタイプの車椅子です。
最高速度は6kmまでと定められており、成人が早歩きする程度のスピードで動きます。
シニアカーは道路交通法上で歩行者として扱われるため、利用にあたって運転免許は必要ありません。
シニアカーがおすすめの方は、自転車に乗るのは危ないけれど歩いて買い物に行くのは難しいという方です。
現在では、保健や安全講習などのバックアップが充実してきており、さらに利用しやすくなっています。
車いすをレンタルするには?
利用までの流れ
介護保険で車椅子をレンタルしたい場合は、以下の7ステップで利用手続きを行いましょう。
- 要介護認定を受ける
- 地域包括支援センター・ケアマネージャー相談する
- ケアマネージャーにケアプランを作成してもらう
- レンタルする事業者を選ぶ
- 事業所で勤務する福祉用具専門相談員からアドバイスを受ける
- 事業者と契約し、車椅子をレンタルする
- 定期的に車椅子のメンテナンスを行う
定期的にメンテナンスなどで関わるため、良好な関係を築ける事業者を選ぶことが重要です。
おすすめの選び方・注意点
ここでは、車椅子を選ぶ際のポイントについて紹介します。
重要な点として挙げられるのは、利用者や介助者の特性に合っているかどうかです。
例えば、利用者にとって、座面の高さや奥行きが体格に合っていることはポイントになります。
また、介助者が女性の場合などは、負担が大きくならないように電動式の車椅子を利用することも重要です。
また、座り心地のよい付属品を選ぶ必要があります。
車椅子に座っている時間が長くなるほど座り心地の悪さによるストレスを感じやすいです。
姿勢の悪い状態で車椅子に座り続けると、身体状態によっては床ずれと呼ばれる褥瘡の原因にもなります。
そのため、車椅子の付属品については注意深く検討する必要がありますので、ぜひこちらの記事も合わせてご覧ください。
メリット・デメリット
まず、車椅子をレンタルする大きなメリットとしては、初期費用がかからず自分に合った車椅子を選べる点です。
福祉用具専門相談員によるアドバイスを受けられたり車椅子を体格に応じて調整してくれたりすることもあります。
また、車椅子が必要なくなった場合や変更したい場合に、労力がかからない点もメリットです。
返却することができたり、気軽に乗り換えたりできるレンタルの車椅子は非常に便利なサービスといえるでしょう。
ただし、デメリットとしては、レンタルのため自分好みにアレンジしづらい点が挙げられます。
また、車椅子を使用するときに汚れなどを気にしたくないという方にはレンタルは向かないかもしれません。
まとめ
この記事では、介護保険でレンタルできる車椅子について紹介しました。
介護保険を利用すると、安ければ月額1000円ほどで車椅子をレンタルできます。
基本的にレンタルできる対象者は要介護2〜5の認定を受けた方です。
車椅子の種類には、以下の4種類があるため利用者や介護者の状態に合わせて選びましょう。
- 利用者自身がタイヤの外側部分を手でこいで操作する「自走式車椅子」
- 介助者が後ろから押して移動に必要な操作を行う「介助式車椅子」
- 電動モーターによって動く全自動の「電動車椅子」
- 外出時に時速6kmで安全に移動できる「シニアカー」
利用したい場合は、地域包括支援センターやケアマネージャーに相談することが必要です。
選ぶときの注意点として、利用者の体格や介助者の特性に合った車椅子を選びましょう。
福祉用具専門相談員にアドバイスを受けながら車椅子を調整できたり乗り換えが楽だったりとメリットが多くあります。
最後までご覧いただきありがとうございました。